ムーコル症?ムコール菌症

2010年11月18日 提供:毎日新聞社
市川の院内感染:東歯大市川病院、県が立ち入り調査へ /千葉
 市川市の東京歯科大市川総合病院で入院患者3人が「ムーコル症」の院内感染で死亡したとされる問題で、県は18日に医療法に基づき立ち入り検査することを決めた。
⇒⇒⇒聞いたことのない病気だな~と思い調べる。

zygomycosis (ムコール症;mucormycosis)

zygomycetes網mucorales目によって起こることが多いため、
zygomycosis=mucormycosisと考えるケースがほとんどである。
また,ムコール病はケカビ目クモノスカビ(Rhizopus), リゾムコール(Rhizomucor), アブシディア(Absidia),およびバシディオボールス(Basidiobolus)などの接合菌属 Zygomycetes による真菌症の総称であると考えるべきである。
ムコール症は胞子を吸いこむことによって起こります。主に鼻と脳を侵す重度の感染症で、場合によっては死に至り、コントロール不良な糖尿病患者など、免疫機能が低下している人に起こります。肺に感染することも多く、まれに皮膚や消化管も侵します。また,鉄キレート薬のデフェロキサミン(デスフェラール注)が投与されている患者においても良くみられる。

症状と診断

鼻と脳を侵すムコール症の症状としては、痛み、発熱、眼窩(がんか)の感染(眼窩蜂巣炎)による眼球突出などがあります。鼻から膿が出て、口の天井(口蓋[こうがい])、眼窩や副鼻腔周辺の顔の骨、2つの鼻孔を仕切っている壁の破壊も起こります。脳に感染すると、けいれん発作、部分麻痺(まひ)、昏睡(こんすい)が起こります。
症状は最も高頻度に鼻および口蓋の侵襲性壊死性病変から生じ,疼痛,発熱,眼窩蜂巣炎,眼球突出,膿性鼻汁を伴う。
また,肺のムコール症は、発熱、せき、ときに呼吸困難を起こします。

ムコール症の症状は他の感染症とよく似ているので、すぐに診断を下すことは容易ではありません。組織中の真菌を確認し、培養して診断します。

経過の見通しと治療

ムコール症の治療には、一般にアムホテリシンBを静脈内投与するか髄液の中に直接注射します。
アムホテリシンB製剤
《ファンギゾン》
http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/670605_6173400D1035_1_05.pdf
静注の場合は5%ブドウ糖で希釈する。生食では沈殿する。糖尿病患者ではキシリトールで代用する。
添付文書での一日用量は50mg/kg。1日1回3~6時間かけて点滴。
下記では10mg/kg/日と書いてある。

《アムビゾーム》フィルター付き。同じ成分でも価格が高い。
http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/400093_6173400D2023_1_07.pdf

また,感染組織は手術で取り除きます。糖尿病の場合には、血糖値を正常範囲まで下げる治療を行います。
ムコール症は死亡率の高い、非常に重い病気です。効果的治療には糖尿病のコントロール,あるいは免疫抑制の逆転またはデフェロキサミンの中止が,可能な限り要求される。アゾールは無効であるため,静注アムホテリシンBを使用しなければならない。通常,外科的な壊死組織切除が必要である。ほとんどの専門家は高用量のアムホテリシンB脂質製剤(10mg/kg/日まで)を使用する。免疫不全宿主において,実験的アゾール系抗真菌薬のポサコナゾールが,適切な外科処置との併用で肺のムコール菌症に対し有望な結果を示している。
アムホテリシンBの総使用量1000 mg 以上を用いた方が予後が良いとされている。
フルコナゾールや5-FC(フルシトシン:アンコチル)については、アムホテリシンBとの併用投与で
効果を報告した文献もあるが、あくまで報告例である。
ポサコナゾールはin vivoでもin vitroでも効果が証明されている。
           Antimicrob Agents Chemother. May 2002;46(5):1581-2
           J Antimicrob Chemother. Jan 2003;51(1):45-52
           Int J Clin Pract. Jun 2004;58(6):612-24.

抗真菌薬とその他の薬の相互作用
アムホテリシンB(ファンギゾン)/liposomalアムホテリシンB(アムビゾーム)
・副腎皮質ホルモン剤、ヒドロコルチゾン等
 ACTH 低カリウム血症を増悪させるおそれがあるので
 血清中の電解質及び心機能を観察すること。
・ジギトキシン、ジゴキシン等
 ジギタリスの毒性(不整脈等)を増強するおそれがあるので、
 血清電解質及び心機能を観察すること。
・頭部放射線療法
 併用により白質脳症があらわれるおそれがある。

zygomycosisの予後
かつて死亡率は80~90%と高かったが、2000年に入るまでに早期診断により
20~40% にまで低下している。
           Arch Intern Med 1999;159:1301―9.
           Ann Thorac Surg 1994;57:1044―50.
白血病などを基礎疾患として発症した場合、
出血性梗塞で急速な経過をたどり多くは2 週以内に死亡すると言われている。
しかし、重症の基礎疾患がない場合、慢性の経過をとるとされている。
           日胸疾会誌1988;57:116―8.
30 年間の肺ムーコル症をまとめた論文では、
内科治療のみの31 例の死亡率は55%、外科治療を行った30例の死亡率は27%。
           Arch Internal Medicine 1999 ;159 : 1301―1309.

自分の今後の調べること・・・・
1.どこに生息しているか
2.アムホテリシンBの用量の確認。
3.東京歯科大市川総合病院ではどのように対応がなされたのか。

参考文献:
メルクマニュアル18版,メルクマニュアル家庭版,呼吸器内科医HP(http://pulmonary.exblog.jp/12827338/

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この記事へのコメント

悩める慢性患者
2021年03月31日 17:56
こんにちは。古い記事へのコメントで申し訳ありません。
わたしは接合菌症です。慢性期間は60年くらいだと思われます。60歳のため。
命にかかわってはいないものの非常に重篤な症状が続いています。

この病気の最も恐ろしいところは医者が排除しようとするところです。
入院した場合は命の危険を覚えそうです。

さて本題ですが、わたしの自己治療ではアムホテリシンBは効果はありません。
ナイスタチンも効果は見込めないと思います。

効果があるのはスペクトルの広いトリアゾール系の飲み薬です。ITCZなど。
また、つい最近はケトコナゾールの効果が確認できました。
非常に高価なボサコナゾールもスペクトルが広いようですが、超々期慢性症であるムコール症(接合菌症)には不向きです。
ネットにある情報は半年ごとに180度変わると言う酷いものです。

わたしはムコール症と、歴史的な病気であるらい病、梅毒との同一性を疑っています。

ホームページもありますが、古いものなので公表しないでおきます。
上のメールアドレスは生きています。

まだこのページしか読んでいませんが、出来ればご教授をよろしくお願いしたいところです。
真面目な取り組みに感謝しております。

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