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zoom RSS 肝機能障害のある人の鎮痛剤(厚労省 重篤副作用疾患別対応マニュアルより)

<<   作成日時 : 2010/06/24 18:20   >>

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厚労省 重篤副作用疾患別対応マニュアル
http://www.info.pmda.go.jp/juutoku/file/jfm0804002.pdf

抜粋

P11【薬物性肝障害における重要な検査と予防】
AST(GOT)、 ALT(GPT)の変動に注意し、肝障害を早期に検出する。肝障害の
重症化の予知には、プロトロンビン時間、血清アルブミン、コリンエステラ
ーゼの測定が有用である。肝機能検査の異常を判断するには、投与前の初期
値が重要で、肝障害を起こす確率が高い薬物を使用する場合はあらかじめ肝
機能検査を実施しておく必要がある。医薬品の添付文書に服用後定期的な肝
機能検査の指示があれば、それに従う。
12
肝障害の原因と考えられる薬物はその可能性を除外できない限り、再度使
用しないことが原則である。化学療法薬など肝障害を起こしやすい薬物をや
むを得ず使用する場合、肝機能検査値に十分注意しながら投薬する。肝障害
が発現した場合、慎重に継続投与し、重症化の徴候がみられた場合、直ちに
投与を中止する。

多くの薬物は肝臓で代謝されるため肝障害を起こす可能性がある。薬物服
用歴は重要な確認事項であり、発症までの期間、経過および肝障害の報告な
どが起因物質の特定には重要な要素となる。したがって、薬物性肝障害の報
告がある薬物の服用開始時には定期的な肝機能検査が行われるように留意
するなど、より早期発見に努める必要がある。また、検査が実施できない場
合には肝障害に伴う症状(倦怠感、食欲低下、嘔気、茶褐色尿、黄疸)に気
づいた場合には、すぐに主治医に受診するよう指導する。


P15<肝 機 能>
○ 肝障害のタイプからみた所見の特徴
肝細胞障害型では血清AST(GOT)、ALT(GPT)値の上昇が主体で、血清
アルカリホスファターゼ(ALP)の上昇は軽度ないし中等度で基準値上限
の2 倍を超えることはない。高度肝障害の場合には直接反応型ビリルビン
の上昇が主体の総ビリルビン値の上昇をきたす。
胆汁うっ滞型では、AST、ALT の上昇は軽度で、基準値上限の2 倍を超え
ることはない。一方、胆汁うっ滞の指標であるALP は基準値上限の2 倍以
上であり、γ-GTP も著明な上昇を示す。また、ビリルビンも早期より増加
する。混合型は肝細胞障害型と胆汁うっ滞型を合わせた型であり、AST、
ALT 、ALP の基準値上限の2 倍を超える上昇がみられる。

<凝 固 系>
通常の薬物性肝障害では、プロトロンビン活性やヘパプラスチンテスト
などの凝固系が異常低値を呈することはないが、重症化すればこれらは低
下する。プロトロンビン活性が低下の傾向を示した場合、重症化、劇症化
の可能性があり、適切な対応が必要である。なお、抗凝固薬を服用してい
る場合、肝予備能の低下を伴わなくても低下するため注意が必要である。

E 発生機序
薬物性肝障害は現在「中毒性」と「特異体質性」に分類されている。前者
は薬物自体またはその代謝産物が肝毒性を持ち、用量依存的に肝障害が全て
のヒトに発生・悪化するものを指し、動物実験にて再現可能である。抗がん
剤の一部、アセトアミノフェンなどのほか、臨床には用いられないパラコー
ト(除草薬)、四塩化炭素、キノコ毒などが起因物質として知られている。
一方、後者は予測不可能で、動物実験での再現ができず、大部分の症例が
含まれる。これは現在さらに「アレルギー性特異体質」によるものと「代謝
性特異体質」によるものとに分類される。「アレルギー性特異体質」による肝
障害では、薬物またはその反応性中間代謝物がハプテンとなり、肝細胞の種々
の構成成分と結合して抗原性を獲得してアレルギー反応が起きる。非常に多
くの薬物がこの範疇に入り、多くは薬物服用後1〜8 週間で発症する。肝細胞
内の物質が抗原性を獲得してどのように肝細胞障害が生じるのかの道筋につ
いてはなお十分には解明されていないが
、図14 に肝障害発症の模式図を示す。
図14.薬物性肝障害の発症機序
一方、「代謝性特異体質」による肝障害は代謝酵素活性の特殊な個人差に起
因して、1 週(特に8 週以降)〜1 年ないしそれ以上のかなり長期の薬物服用
後に肝障害を発現する。発熱、好酸球増多などのアレルギー症状を欠いてお
り、偶然の再投与でも肝障害再発現までに日時を要することがある。長期の
投与の間に代謝異常を惹起し肝障害作用を持つ中間代謝産物の蓄積を来す場
合、また薬物による軽度肝障害への適切な修復・再生反応が起こらなくなっ
———————————————————————————
表1 代謝性特異体質により肝障害を起こすと考えられる薬物
アカルボース、アミオダロン、イソニアジド、イトラコナゾール、経口避妊薬、ザフィ
ルルカスト、ジクロフェナクナトリウム、ジスルフィラム、タモキシフェン、蛋白同化
ステロイド、ダントロレンナトリウム、テガフール・ウラシル、塩酸テルビナフィン、
トログリタゾン*、バルプロ酸ナトリム、塩酸ヒドララジン、フルコナゾール、フルタ
ミド、ペモリン、塩酸ラベタロール ——————————————————————————
* :販売中止
上記薬物による肝障害はアレルギー性機序で起こる場合もあることに留意する。
F 薬物ごとの特徴
薬物が極めて多岐に渡り、全てを記載することが不可能なため、薬効分類上
報告の多かったものから代表的薬物をいくつか挙げて解説する。
1999 年の全国調査で、表2 に5 例以上報告のあった薬物についての例数、病
型、DLST 陽性率を、表3 に劇症肝炎の起因薬物を、それぞれ掲載する。
<解熱消炎鎮痛薬>
肝障害の報告は全薬物中約12.6 %(解熱・鎮痛薬11.9 %、痛風・高尿
酸血症治療薬0.7 %)、と抗生物質に次いで多い。多い順に、ジクロフェナ
クナトリウム、アセトアミノフェン、ロキソプロフェンナトリウム、アセチ
ルサリチル酸、メフェナム酸、イブプロフェン、インドメタシン、プラノプ
ロフェンと続く。総合感冒薬による肝障害も少なくなく、臨床型としては、
肝炎型が50.0 %、混合型が32.2 %、胆汁うっ滞型が14.9 %、劇症肝炎が
2.9 %で、DLST は63.7 %と高率に陽性である。
○ アスピリン(アセチルサリチル酸)
用量依存性、血中濃度依存性の軽度のトランスアミナーゼ上昇を来すこ
31
とから、中毒性の肝障害と考えられている。黄疸を来すことはほとんどな
く、肝組織像では、小葉中心部を主とする巣状壊死と門脈域の軽度の炎症
細胞浸潤を認める。ウイルス感染児への投与にて意識障害と肝の小滴性脂
肪肝を特徴とするライ症候群を生じる危険があるので使用を控えるべきで
ある。
○ アセトアミノフェン
アニリン系の非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)で、中毒性肝障害を
惹起する。適正な使用量では安全で有効な解熱鎮痛薬であるが、最少量2.4
g の服用での死亡例の報告がある。一般用医薬品にも使用されているが、医
師の処方にて使用される場合も多い。アセトアミノフェンの約50 %は酵素
UGT1A6 によりグルクロン酸抱合され、約30 %は硫酸抱合され、Gilbert
症候群で肝障害のリスクが高いとの報告もある。日本人の同症候群患者で
は遺伝子UGT1A1 の多型のある症例が存在し、遺伝子UGT1A6 多型とリンク
しているサブグループが存在するため、アセトアミノフェンのグルクロン
酸抱合能が低下している場合もあり得る。硫酸抱合の異常と肝障害発症に
関する報告は見当たらない。
投与されたアセトアミノフェンの5〜10%はチトクローム P450 (CYP)
2E1 により、N-アセチルベンゾキノンイミン(NAPQI)へと代謝され、さらに
グルタチオン抱合されて尿中へと排泄される。NAPQI は反応性が高く肝細胞
の各種酵素・蛋白と共有結合、一部は非共有結合をして、酵素等の活性低
下をもたらし、脂質過酸化促進にも作用する。残り4〜8 %は、CYP 2A6 に
よって無害なカテコール代謝物(3-ハイドロキシアセトアミノフェン)へ
と代謝される。
NAPQI が何らかの原因により肝細胞内で多量に生成され蓄積すると肝障
害が惹起されるが、一般に高齢者では硫酸抱合能やグルタチオン合成能が
低下しており、肝障害が発症しやすいと考えられる。
CYP 2E1 は肝小葉の中心静脈周囲(zone 3)の肝細胞に高濃度に含まれ、一
方zone 3 では酸素分圧が低くグルタチオン濃度も低いことが判明しており、
アセトアミノフェン肝障害では肝細胞壊死がzone 3 を中心に発現する。ト
ランスアミナーゼの上昇は急性ウイルス肝炎に比して高く、用量依存性に
肝障害が悪化するため、高用量の服用では劇症肝炎を発症する。図15 に肝
32
障害発症の模式図を示す。
慢性の飲酒者ではCYP 2E1 が誘導されており、またグルタチオン濃度の
低下もあり、肝障害の発症が起こりやすく重症化する危険性がある。CYP 2E1
にて自身が代謝され一方でCYP 2E1 を誘導するフェノバルビタールやイソ
ニアジドなどの薬物は、同時投与しておればアセトアミノフェン代謝を阻
害している可能性があり、中止した場合にはアセトアミノフェンからNAPQI
への代謝を促進し、肝障害を発症しやすい。1999 年の全国調査ではDLST
は検査した15 例中9 例で陽性で、アレルギー性機序による発症例が存在し
ている可能性も否定出来ない。
○ジクロフェナクナトリウム
酢酸系のNSAIDs で、広く用いられているが、代謝性特異体質による肝障
害を惹起すると考えられている。服用者の0.16 %に発症との報告があり、
米国における180 例の解析では、発症者の79 %は女性で、71 %が60 歳以
上の高齢者であった。薬物服用開始後、黄疸、食思不振、嘔気・嘔吐、肝
腫大を認め、AST、ALT の著明上昇を来すものが多くみられる。発疹、発熱、
好酸球増多などのアレルギー症状は認めなかったが、黄疸患者90 人中7 人
が死亡している。臨床型としては、肝細胞障害型と混合型を合わせて92 %
(軽度のものを含む)、胆汁うっ滞型が8 %で、1 ヶ月以内の発症例が24 %、
3 ヶ月以内で63%、6 ヶ月以内とすると85 % であるが、6〜12 ヶ月での発
症例が12 %、1 年以上での発症例が3 %存在する。カナダからの報告でも、
潜伏期は6〜417 日(中央値 76 日)、
ジクロフェナクナトリウム投与量の対
数とトランスアミナーゼの対数との間に有意の相関を認めている。
一方、
1999 年の全国調査にてDLST 陽性は31 例中21 例と高率でアレルギー性の肝
障害発症症例存在の可能性もある(表2)。稀に自己免疫性肝炎様の発症を
する例も報告されている。


○ロキソプロフェンナトリウム
プロピオン酸系のNSAIDs で、肝障害の発生率は0.29 %(三共(株)資料
2001.12)である。1999 年の全国調査で肝細胞障害型と混合型が大部分で、胆
汁うっ滞型は無く、劇症肝炎死亡例が報告されている。投与直後〜2 ヶ月
の発症が多く、アレルギー性機序によると考えられる。

P50
実際の症例数

P58
治療法

について書かれています。




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